『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)
Guardians of the Galaxy Vol.2

キャラクターたちの造形や互いの関係をより深く描き出し、前作の伏線を綺麗に回収していく展開、また新しいキャラクターとの出会いや、かなりスケールアップされた脅威との対峙、より広がりを見せる世界観の構築と、とにかく続編に必要なもの全てが備わっていると思う。前作と同じくらい愛せて、同時にそれを上回る興奮やカタルシスをもたらしてくれる、そんな最高の続編である。

 やはり『スター・ウォーズ』シリーズとは別に夢中になれるスペースオペラが出てきたことがとてもうれしいな。そのヴィジュアル世界がSWのそれとは全く違うタイプのものならなおさら。
 ぼくがSWに対して抱く数少ない不満の中に、「宇宙船に色がない」というものがあったりする。
 だいたいのメカニックは灰色や白で、原色はその船体に一本ラインが入っていたり、マーキングが施されたりする程度である。だからこそ『ファントム・メナス』(EP1,1999)に登場するようなボディが黄色や赤で、フォルムが丸かったり流線型だったりする宇宙船が好きなのだけれど、平和かつ文化的に成熟していた旧共和国最後の時代を描いたEP1以外にはそのような船は登場しない。もちろん最初の三部作を象徴する工業的なデザインの宇宙船も他の追随を許さない魅力があるが、どうしても色の少なさがね。

 カラフルで曲線が使われているのがいいのなら日本のSFアニメもいいのではないかと思われるひともいるだろう。もちろん悪くはないけれど、ぼくは母国製のSFメカがどうしても金属製に見えないのだ。玩具化を前提に考案されているからか(必ずしもそうではないだろうけれど)、どう見てもプラスチックに見えるものが多い。

 そこで、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(GOTG)だ。有機的な曲線フォルムにカラフルな配色。熱帯魚や南国の鳥のような船が、これまたSW等の真っ暗な宇宙とは違い、様々な色に輝く宇宙空間を飛ぶ姿はとても綺麗。宇宙船だけでなく、登場する種族も色とりどりの肌をしていて楽しい。コミックが原作であるからこその色使いだろうか。
 とにかく、SWでしか宇宙世界を見てこなかったぼくのようなやつにとっては、前作が衝撃的で、もっといろいろな銀河系の姿があってもいいんだなと思った。

 ぼくたちが住むのとは別の世界が舞台となっているSWとは異なり、GOTGは地球が存在する銀河のお話。だからこそ、レトロ・フューチャー感や親近感があって、わかりやすい世界になっているのも楽しいところ。
 スペースオペラの主人公がソニーのカセットウォークマンを愛用しているという渋い設定は前作以降知れ渡っていることであえて説明する必要もないけれど、今作『リミックス』では冒頭から古い電子フットボールゲーム機がなぜか敵の接近を示すレーダー機器に改造されていたり、エリザベス・デビッキ演じるアイーシャが率いるソヴリン艦隊が、ゲームセンター的スタイルで遠隔操作されているというとても楽しいアイデアがあったりして最高だった。超ピコピコ言ってた。
 兵器のインターフェイスがだんだんゲーム機じみてきていて、シューティングゲーム感覚で戦争が行われているというような現実への皮肉もあるのかもしれないが、まあ、難しい考察はほどほどに。とにかく古いのに新しい、まさにレトロ・フューチャーだった。
 ソヴリン人は身内に死傷者を出したくないということは劇中でもデビッキの口から語られるが、まさかだからといってゲーセン艦隊とはね。
 そういえばSWにも身内に死者を出したくないからドロイドの軍隊を使う種族がいたな。がちがちの設定で固められたSWにはSWの魅力があるが、GOTGのユーモアセンスというか、緩さのある世界観もたまらない。