ドンブラザーズショー

 自分の中では「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」以来のヒット、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」。なにがどうおもしろいかという話は今更必要なかろう。わざわざ説明するのが野暮である。というか毎週見ているぼくにも説明が困難である。ひとつだけ触れるとすれば、戦隊の分類のところに注目したい。「暴太郎(あばたろう)戦隊」である。普通ここは、前述の怪盗戦隊や警察戦隊はじめ、宇宙戦隊であるとか百獣戦隊であるとか、そういう、一言でああそういうのがモチーフのやつらね、とわかるものが来るわけで(もちろん今作以外にもオリジナル用語が使われるパターンも時折あるかもしれないが)、あばたろうってなんだよ?とまずそんな疑問を抱きたくなるのだが、今にして思えば、いきなりタイトルにそんな聞き慣れない言葉が入っているところに、作品の性格というか、全てが表れているような気がする。疑問を差し挟む余地、いや、猶予を与えてくれない勢いで攻めてくるのがドンブラザーズなのだ。

 そういうわけで、大変気に入って思い入れも強いので、シアターGロッソにショーを観に行った。変身前のキャストが出演する「素顔の戦士」公演は子どもの頃から憧れてもいたのだが、日曜朝の放送を観てからそのまま東京ドームシティに行ってショーを観るという、大変贅沢な楽しみ方もできた。本当にさっきテレビで観ていた物語の続きのようだった。娘も喜んでいたが、あれは毎週観ている子どもなら感動するだろうなあと思う。放送最終回直前のいい機会なので、特撮好きの友人も誘って行き、終わった後にちょうど東京ドームにレッド・ホット・チリ・ペッパーズを聴きに来ていた友人とも合流してご飯などしたが、ああいうのは娘の記憶にどういうふうに残るんだろう。いずれにせよ娘は家に帰ってきてからも大興奮で(アトラクションで散々遊んだ後なのだが)いまだかつてないほどドンブラ気分だったようだが、もう次の日曜で終わっちゃうんだよなあ。