Attack of the Clones (2002)

多分この月末(25日〜27日あたり?)で『クローンの攻撃』を劇場で見て20年が経った。今でも自分のSW観の支柱にはコルサントの摩天楼や闘技場のあちこちで煌めくいくつものライトセイバー、赤い砂漠を埋め尽くす軍勢、銀ピカの賞金稼ぎの姿がある。

当時は余計な知識が全然ないので知る由もなかったが、今になって考えてみればこのEP2にはジョージ・ルーカス個人にとって大切なものがいっぱい散りばめられているのではないだろうか。黄色いホットロッドのようなスピーダーで摩天楼の間をカーチェイスするくだり、エイリアンがうごめくダイナーや、ローラースケートを思わせる車輪で移動するウェイトレス型ドロイドなどは言うまでもなくルーカスの青春を描いた『アメリカン・グラフィティ』からの引用だが、昆虫型異星人(ジオノージアン)に囚われた友(オビ=ワン)を助けに銀色のロケット(ナブー・スターシップ)で駆けつけるなんていうのは典型的なパルプSFやスペースオペラのイメージではないか。惑星ジオノーシスの赤い砂の地表も、昔から地球にとって代表的な異星である火星のようだ。ルーカスは自分が親しんできたものを単なるノスタルジーで終わらせず、新しい形で新しい世代に見せる術を心得ていたのだと思う。少なくとも当時10歳のぼくには刺さっている。

2002年の夏休みというのは、EP2を観たことのほかにもたくさん重要な思い出が詰まっている。恥ずかしいくらい月並みな響きがあるが、特別な夏だった。あれほどの夏は二度とあるまい。それについては別にゆっくり書いてみたい。