Star Wars Visions EP3


『ビジョンズ』第3話「THE TWINS」より、ダークサイドの使命を負って生み出された双子、カレとアム。横並びに連結した2隻のスター・デストロイヤーに乗り込むふたりは、カイバークリスタルのエネルギーを自分たちが身を包む特殊なアーマーに通してダークサイドの力を増幅し、銀河に秩序をもたらす強大な戦士となることを運命づけられているが……。

ほかのエピソード同様に多くは説明されないため、双子誕生の背景に対して想像が膨らむ。スター・デストロイイヤーがいるから時代は帝国か、双子を造らせたのは皇帝だろうなどと考えるのが楽しい。アーマーやヘルメットがダース・ヴェイダーのそれに準じているところも、尋問官をはじめとする皇帝に仕えたダークサイダーっぽくていい。

特に姉のアム(右)のヘルメットが素晴らしい。のちにデス・スター・ドロイドとして流用されるヴェイダーのデザイン案の影響が見られるが、そこに大きなツノを二本生やしたところがおもしろい。V字のシルエットは、まるでヴェイダーの印象的な頭部のシルエットを逆さにしたような印象だ。シークエルのカイロ・レンにはこういう「別バージョン」感があったほうがよかった。

本筋となんら関係のない自由な作品でありながら、「双子」というSWの核に流れる象徴が主題になっているところもよくできている。常に双子の片方は闇の方に傾き、もう片方はそれを明るい方へと引き戻そうとする。それはアナキンとルークの関係に、ルークとレイアを重ね合わせ、さらに両方にヴェイダーのような格好をさせるという何重ものレイヤーが、短い物語に深みを与えている。

双子の対決は勝敗がつかないまま中断され、姉の行方がわからなくなるが、弟は彼女を探し出すことを、双子の二重太陽を見ながら決意する。前向きな、そして続きを想像させる終わり方なのも広がりとまとまりがあって素晴らしかった。