子ども好きかどうかと言えば

子どもが生まれてからというもの、だいぶ小さい子の相手ができるようになった気がするのだが、子どもが好きかどうかと言われれば、そんなのその相手の子どもによるとしか言いようがない。というかこの問いに対する回答としてはこれが適当であって、もし「子ども大好き!」などと答えるやつがいようものならそういう人は信用できない。
なぜかと言えば、子どもを「子ども」という属性でひとつにくくっているからであって、個々にどういう子どもがいるのかをあんまり考えていなさそうな印象だからだ。そういう人に限って自分が想定している(求めていると言い換えてもいい)子ども像から外れた子がいたら困惑するのが目に浮かぶ。早い話が、自称子ども好きが子どもの頃のぼくを好きになってくれたとはとても思えないわけである。彼ら彼女らのほとんどは自分たちの思う子どもらしい子どもが好きなのだ。だいたい大人好きとは言わないのだから(年上好きとかは違う話として)、子ども好きもおかしな言葉なのだ。その響きにはなんとなく犬好き猫好きと同じ響きを感じてしまうのだが、上述のように犬好き猫好きも犬猫からしたら迷惑な話かもしれない。
思えばぼくは犬に関しても飼うようになってからだいぶ明るくなったが、それでもやっぱり犬好きとは言う気があまり起こらない。これは妻もそうで、好きなのは自分んちの犬であって、よその犬のことはわからないからだ。子どもであれば、犬であれば、全部が全部好きだと迷いなく言えてしまうほうが、屈託はないかもしれない。だが、ひとりひとりと接してみなくてはわからないからと慎重に考える方が、個々を意識しているように思うのだが、どうだろうね。