Evangelion Mark.44B


『シン・ エヴァ』冒頭のパリの戦いにて登場しぼくの心を奪った不気味でおもしろい44B。すっかり悪の組織が板についたネルフ側が送り込んできたやつらで、陽電子砲を担いだ4444Cに付き従う電源供給担当の機体。複数体が列を組んでグース・ステップで襲来する絵は文句のつけようがないほど素晴らしい。陽電子砲と言えばヤシマ作戦で初号機が使ったもので、今回は対するヴィレ側もヤシマ作戦で零号機が持っていたシールドに似たものを戦艦の艦底につけており、つまりは最終章に来てヤシマ作戦のちょっとした再現がされているわけだ。かつて使徒に対してともに使われたもの同士が対峙するという形で。
改めて『序』から見直してみたら、なるほど確かに44Bのこの中央上部についているのと同じものが、初号機が構える陽電子砲に電力を送るために配置されていた。これらを実用化するにあたり移動式にしたということだが、そこによく見慣れたエヴァの脚をつけてしまうところがとてもおもしろい。
またこいつらはパリの新市街、ラ・デファンスの方向から凱旋門前で作業しているヴィレ側に向かってやってくるのだが、ラ・デファンスとはかつてその地域がパリの防衛拠点だったことからつけられた名前。そんな防衛線の名を冠した街を背に、ご丁寧にグース・ステップ(言うまでもなくかつてパリにも侵攻したドイツ軍のトレードマーク)まで踏んで襲来するとは、よくできたシーンである。