「SPUR」2021年3月号

「SPUR」2021年3月号(集英社)
イラスト映画レビュー「銀幕リポート」第60回(最終回)
『どん底作家の人生に幸あれ!』

チャールズ・ディケンズの「デイヴィッド・コパーフィールド」の新訳的な映画化作品。イジワルそうな英国俳優陣が勢揃いで楽しく、原作は未読だが古典のユーモアだって決して色褪せるものではないと感じられる。いずれ読んでみよう。

まる5年続いたこの連載は今回で最終回です。ぴったり60本もの作品を紹介し、それだけでもぼくにとっては大変な本数ですが、毎月1本に絞るまでに数本観ているので、単純に数えればこの4倍くらいは観ていることに。習慣的に公開前の新作を観させてもらえるようになったことはもちろん、これほど映画を観るようになったのも自分にとっては劇的な変化でした。
初回の『ヘイトフル・エイト』(2016年4月号掲載)を見返すとまあなんとシンプルなこと。回を追うごとに言葉で表したいことが増え、作品のいろいろな面をスペースにおさめたいという欲も出て、ずいぶん細かくなっていってしまったのは少し反省。強弱やバランス、ほどよく引き算ができるように今後に活かしたいところです。
ひとまず今後はタイムリーな作品のチェックはゆるめにして、見逃していた作品や前から好きな作品をじっくり観てみようと思います。5年間どうもありがとうございました。