The Mandalorian :Chapter 15


メイフェルドのキャラもいいのだが、<スレーヴI>回でもあったと思う。まずあの独特の離着陸の仕方で内部がどういうふうになるのか。操縦席や乗員の座席は機体の動きに合わせて可動するというような設定はプラモデルを作ったことがあったのでなんとなくわかっていたが、実際に映像で見られてうれしい。部屋ごとぐるっと動くという結構大掛かりな様子だった。

そして終盤、帝国軍の追跡を振り切るために機体の裏側から放つサイズミック・チャージという爆弾。『クローンの攻撃』でもジャンゴが追ってくるオビ=ワン・ケノービの機体に向かって放ったが、これが爆発するときの音はプリクエル三部作の効果音の中でも特に好きなものだ(ほかにはポッドレーサーのエンジン音であるとか、ジオノージアンの声、ワット・タンバーの与圧服の音、ドラゴン・マウントの鳴き声などいろいろ)。同じ武器をボバがTIEファイターに放ち、同じ音、同じ破壊力を耳と目で感じられるとは。ボバ時代の<スレーヴI>が戦うところが見られるのが楽しい。

マンドーが教えられてきた掟では、人前でマンダロリアンのヘルメットを脱いで顔を晒してはいけないことになっているのだが、今回は帝国軍の基地に潜入するために変装をしたり、端末の顔認証のために人前で顔を晒すことに。そもそも自分がよりどころにする教義に従って「子ども」をその同胞のもとに返そうとしていた彼が、だんだん「子ども」を守るために教義が要求するルールを曲げ始めるのがおもしろいところ。すでに彼は自発的にそうしたくて「子ども」を救おうとしているという印象。もちろん異なる派閥に属していたボ=カターンや、父親の意志とともにアーマーを受け継いだボバといった自分がそれまで知っていたのとは少し違うマンダロリアンたちとの出会いによって、心境に変化もあったことだろう。SWシリーズお約束の「帝国軍トルーパーへの変装」が、マンドーの場合にはこういった葛藤もセットになるというのも本当にうまいこと出来ている。