The Mandalorian :Chapter 14

 ボバ・フェットのオリジナルかつ父親であるジャンゴ・フェットは、孤児だったところをマンダロリアンによって戦士として育てられ、戦士たちが滅んだあとは賞金稼ぎの道を歩んだ、という設定は以前からあったが、ディズニーによる買収やシークエル三部作制作決定とともに従来の映画外メディアで紡がれてきた設定群がいったん白紙化されてからは、果たしてジャンゴが正確にマンダロリアンなのか、それともマンダロリアンの装甲をまとっただけの傭兵に過ぎなかったのかが、フェットのファン、マンダロリアンのファンにはだいぶ気になるところだった(だろうと思う)。

個人的には新しい設定がなんであれ好きなように解釈するつもりでいたのだが、このたび晴れてジャンゴは旧設定と同様にマンダロリアンに育てられた孤児ということが明らかになり、このあたりは落ち着いたように思う(マンダロリアンの歴史についてはだいぶ変わっている)。マンダロリアンに育てられた孤児、というのは主人公マンドーとも共通しており、彼の背景や、マンダロリアンとは種族名であると同時に教義でもある(つまりは異星人でもなれる)というような明言は、ある程度ジャンゴへの伏線になっていたと思う。

いずれにせよボバ自身はクローンなので、ジャンゴのルーツがどうであれボバはボバ、とも考えられるのだが(ボバ同様ジャンゴの遺伝子から作られた無数のクローン兵士たちをマンダロリアンとは呼ばないように)、それでもジャンゴに育てられた彼は父親のアイデンティティを受け継いでいると自認していたらしく、これがわかっただけでもだいぶ熱い。クローンだが息子同様に育てられ、名前と個性を与えられながら、自分や父親と同じ顔をした兵士たちが大量に消費されていくのを目の当たりにしてもいる彼は、自分の存在や人生をどうとらえているのか。掘り下げたらおもしろそう。