The Mandalorian :Chapter 12

始まりの地に戻るということで、シーズン1初回で主人公の賞金稼ぎ稼業を説明するためのお尋ね者だったミスロルが再登場。借金返済のためカール・ウェザース扮するカルガ監督官にこき使われているが、その関係で今回はパーティの一員に。活躍というほどもこともないけど、なかなかいいキャラクターとして昇華していた。すでに一度出てきたキャラクターをうまく使うとおもしろい。しかし、ミスロルというのは種族名らしいので、ここまでのキャラクターになるなら個体名つけてもよさそうなのだが。まあそのあたりがあっさりしているのも本シリーズらしさでもある。

渓谷でのチェイスは本当にゲームっぽくて、自分がプレイしたことのあるやつだとPSの「レベル・アサルト2」なんかのステージを思い出した。チェイスではないが操作するのがTIEファイターなので渓谷との組み合わせに既視感がある。出来上がった映像がゲームっぽいというよりは、これまでSWの外伝ストーリーを映画以外で視覚化・映像化してきたものの多くがゲームなので、参照先がそれになるか、同一世界観で同じ発想をすると自然と似た絵になるのか。いずれにせよSWゲームはその世界観に奥行きを与えてきた。

秘密のラボでマンドーたちが発見するのはタンクの中で培養されているなにか。これがクローン的なもので、その研究に「子ども」の血液が必要であることから、恐らくのちに最高指導者スノークや復活を目論む皇帝の肉体となるものなのだろう。台詞で登場する「血液中のM値」のM値とは恐らく、肉体とフォースの結びつきに深く関係する生命体ミディ=クロリアンであって、つまりはクローンを造るのにフォースの強い者の血が必要というわけだ。説明の不足していた『スカイウォーカーの夜明け』への伏線を張ることで映画の補強もこなしてしまうとは、さすがである。