The Mandalorian :Chapter 10


監督が『アントマン』で脚本が『アイアンマン』というのは個人的にとても刺さるところがある。ずいぶん緩めの話ではあったけれど、締めるところは締めるという感じで、ドラマチックでもあった。特に新共和国軍のXウィングとのチェイスや、その後のやりとりは、不時着した惑星で遭遇した巨大蜘蛛との戦いよりも見せ場としては惹かれる。帝国軍のパイロットだったら問答無用で撃ち落としそうなところを、Xウィングのパイロットは追いかけながら「撃たせないでくれ!」などと言って制止しようとする。しまいには十分容疑があるマンドーに対し、情状を汲んで見逃す(積極的に助けようとはしないバランスがよい)。前シーズンもそうだったが、健在な新共和国のディテールが垣間見えるところはこのドラマのおもしろいところでもある。新共和国も帝国残党ものちの後継組織とはえらい違いなのだが、30年も経つとああも劣化してしまうのか。まあそれはいいや。

緊張感溢れる交信ののちマンドーの正体を知って攻撃体勢に移るXウィングだが、映画ではお馴染みのSフォイル展開というモーションを、緊張を破り危険を知らせる演出に使うのには感嘆した。市民や味方でない者にとっては強力な火力を積んだ立派な軍用機であることを改めて思い知らされる。

実はカエルの奥さんも、サバック・ゲームをしているでかい虫も、前シーズンのカンティーナのシーンにも姿を見せていた。特にカエルはあとでこういうふうに使うつもりだったのか、既出の中からよさそうなものを選んだのか。大きなカエル、大きな虫、みたいな単純さがなんだかんだいちばんわかりやすくてすっと入ってくるデザインになるのかも。