Boba Fett Retro Kenner

『帝国の逆襲』での初登場に先駆けて発売されたボバ・フェットの最初のフィギュアはご覧のような配色。これはプリプロ版と呼ばれるバージョンの衣装がのちの映画版とは若干違っていて、それをより明るめの色でデフォルメしたもの。最大の特徴はガントレットが両腕で違う色になっており、特に左腕が『帝国の逆襲』(両腕緑)でも『ジェダイの帰還』(両腕赤茶)でも採用されなかった黄色になっている点。アンテナのような細いパーツの再現が難しかったのか、額に下げた状態で成形されているのがおもしろい。ボバ・フェットのコスプレイヤーは星の数ほどいるけれど、中にはこのオモチャのバージョンを実際の衣装で再現しているひともいて、なかなかかわいい。このフィギュアのような直立不動のポーズで写真を撮ったりするのだ。フィギュアとはスクリーンの中にしか存在しない架空の世界を現実世界に持ち出すことのできる素晴らしい媒体なのだが、そのフィギュアの格好をしようというのもそれはそれで理解できる。映画とはまた別の、トイだけが生み出す世界観というのがあって、そこに浸るにはトイを眺めているだけでは物足りないのだ。いずれにせよぼくがボバ・フェットが好きなのは色違いのバージョンがいくつかある上に、見方によってはそれがカラフルに見えるからだ。