頭の大きな提督



 『フォースの覚醒』で一段と貫禄が増していた提督。もう敵のシールドのことは忘れない。レジスタンスでは少しゆったりした衣装だったけれど、今度の『最後のジェダイ』ではずいぶん締まった軍服を着ているらしい。アクバー提督と言えば『ジェダイの帰還』での歯医者さんの白衣のような衣装がトレードマークだけれど、こういういかにも軍服調のものもまた良いな。かっちりした制服だが帝国軍やファースト・オーダーのそれともまた違う、少し可愛らしいデザイン。ファースト・オーダーが完全に白黒調になったのに対して、レジスタンスはカーキや柔らかな中間色が基調になっているようだ。反乱同盟軍時代よりモダンさも増している。
 アクバーの、というかモン・カラマリの魅力は個人的にこの肩幅と頭の大きさの妙なバランスではないかなと思う。魚のバケモノのような頭なのに肩幅は人間のそれというバランス。下半身なども普通の人間と変わらないシルエット。技術的にそこまで人間離れした体型にできなかった時代ならではの着ぐるみ感が、今日の新作映画でも健在なのが素晴らしい。
 それにしても襟や袖はどうやって通すのだろうか。

(2017年11月21日のブログ記事に加筆修正)


*追記(『最後のジェダイ』を見終えて)

 老兵は去る。アクバー提督、安らかに眠れ。
 まさかのあっけない死であった。これほどのオタク受けのいい人気キャラクターをさらりと死なせるとは、かえって潔さを感じる。媚びてなくていい。もちろんアクバー好きとしては残念だが。
 それにしても引退したのを無理やり引っ張り出してきたからなのか、どこかすっとぼけた印象がある。EP6『ジェダイの帰還』でも十分貫禄があったから、あれから30年経っているなら少しボケが入っていてもおかしくない。最期のセリフはぼくが覚えている限りではレイアの命令を聞き返して、繰り返しているだけだった。
 まあ、脇役なのでそこまで活躍しなくてもいいんだけど、どうせ引退生活から引っ張り出してきたならもう少し伝説的な指揮官らしいところが見たかったな。レイアがわざわざ招集しただけのことはあるな、と思わせてほしかった。
 しかし、それもファンの都合のいい願望に過ぎず、そんな生易しい期待や予想などことごとく裏切り、ぶっ壊してくれるのが『最後のジェダイ』なわけですよ。だからあれはあれでいいのだろう。どんな人気キャラでも簡単に死んでしまうという描写は、戦いの容赦なさみたいなものが感じられて、殺伐としたリアルさみたいなものもあったりする。もちろん主人公たちは簡単には死なないわけだが、役目を終えたキャラは容赦なく退場させていいと思う。
 あとモン・カラマリ大将の活躍は前年公開の『ローグ・ワン』でもあったので、またアクバーに見せ場があったりすると、一般の観客からしたらまたイカ飯頭かってなっちゃうのかな。というか、普通に連続して見たらイメージごっちゃになるよね。『ローグ・ワン』のやったもん勝ち的なところがある。
 そういえば、『ローグ・ワン』のラダス提督の名前は、今回あの壮大にして超のろのろな逃走劇を繰り広げたレジスタンスの旗艦の名前になってたりするんだけど、あの超好戦的なラダスの名が冠されてるわりにはあまり強そうじゃなかったなあ。


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