6:「高い城の男」
(フィリップ・K・ディック著/浅倉久志訳/ハヤカワ文庫)

 とても好きな本で何回か読み返しています。歴史改変というテーマはわりと好きですがやはりこの本がひと味違うのは改変された世界の中で、さらに改変された世界が描かれた本が登場しているというところで、読者は二つの別の歴史を持った世界(あるいはこちらの現実の世界を含めて三つ)を行ったり来たりします。物語の中の現実世界において戦争がどのような経緯を経たのか、また作中に登場する本においては世界はどのような経緯を経たのかという、二重の歴史改変が大変興味深いです。

(2014年3月6日)