20:「オリーブ少女ライフ」
(山崎まどか著/河出書房新社)

 雑誌の号とともに自分の人生を振り返るができるなんて、とても羨ましいです。

 ぼくも雑誌を買うことはあったし、高校生の一時期何ヶ月か続けて買って読んでいたこともあるのですが、学生ならではの金銭的な事情やそのうち興味の無い特集(これもその年頃特有の好きなこと以外への無関心さのせい)があったりして、そのうちに買わなくなってしまい、これはという表紙や特集の際にたまに手を伸ばす程度になっていました。

 山崎さんのツイート等を追っているとたびたび「オリーブ」という雑誌が登場します。一体どんな雑誌なのだろうと気になっていました。復刊したのさえ00年代の前半ですから、当時小学生中学年だったぼくがどうしたって読み得ないもので、そう考えるとぼくにとってとても遠い雑誌でした。年代と性別、二重に遠く感じたからこそ、なんだか羨ましくなってしまいました。

 ある年末に実家に帰った際、母親から「オリーブ」の切抜きを何枚かもらいました。雑誌そのものは母も持っていなくて、その切抜きだけが「オリーブ」の手がかりでした。けれどすぐに、なんとなく母が好きそうなものが詰まった雑誌らしいということがわかりました。それなら当然ぼくも好きになれるものであることは間違いない、と思うものの、もうリアルタイムでは読めない雑誌なんだなと思うと残念でした。

 「オリーブ少女ライフ」を読んだ後、神保町の古本屋で「オリーブ」を漁りました。作中に登場する号はなかなか年代が合わず見つけられなかったけれど、山崎さんがコラムを連載していた復刊版「オリーブ」は比較的新しいためか豊富に揃っていて、その第一号を買って帰りました。

 読者だった山崎さん自身が後に復刊した「オリーブ」に連載を持つという、憧れに近づいていく印象的なエピソードは作中でも山場として語られ、いかに喜ばしいことだったかも文章からわかります。けれど、先日青山ブックセンターで開かれたトークショーにおいて山崎さんは、大好きなオリーブに連載を持てて幸せ、良かった、というような話で終わらせるつもりはなく、そのあとに「オリーブを卒業する」という章で締めくくったと話していました。

 ぼくもここで語られている「オリーブ」のような雑誌に出会えたらいいなと思います。イラストレーターとしてはやはりもっと雑誌の誌面で仕事がしたいですし、来年はなにか雑誌を毎月買ってみようかなとも思います。

(2014年12月30日)