33: 『進撃の巨人 Attack on Titan』
(2015年、樋口真嗣監督)

 新しい特撮映画として話題だった実写版「進撃の巨人」(前編)。確かに防壁からぬうっと顔を覗かせる巨人の画(原作でも象徴的な構図)は、昭和29年の第一作「ゴジラ」でゴジラが山の向こうから頭を覗かせたときの印象的なシーンに通じるものがある。「ちらっとだけ見えた恐さ」とでも言おうか。結局この大型巨人は全身が映ることがないので、得体の知れなさはゴジラ以上に際立つ。というか出て来る巨人は全部得体が知れないのだが。

 コミックの実写映画化として新たな手本を提示できた作品ではないかとも思う。再現が難しそうなキャラクターを映画独自のものに置き換えたり、舞台設定を原作からかけ離れない程度に、けれどより現実的で実感のある雰囲気にしたりと、いろいろな工夫が随所に見られる(現代兵器が放置されて風化している様子から未来の世界だということがわかるけれど、ああいう仕掛けが個人的にとても好き)。原作への脚色と省略のバランスがうまく取れてこそ、良い映画化作品だとも思う。

 ぼくは原作の調査兵団の制服が体型を選びそうなぴたっとした線で好きじゃなかったのだけれど、実写化するにあたって普通のサイズ感の服になったので良かったなと思った。原作のままだと体型と年齢によって全然似合わないと思うし(日本のコミックやアニメにはありがちなことで個人的にはどうにかして欲しい)。ブーツが魚屋さんみたいなのは変わらないけれど。そして長谷川さんはなんでも似合う。画になる。でかい。かっこいい。

(2015年8月22日)